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ともにゃんの生態

臨床工学技士の「ともにゃん」の個人ブログ。医療機器の管理を中心に日常の戯言を日記にしています。

改善の視点から始める医療機器開発の勧め

 今度、東京都臨床工学会で 改善の視点から始める医療機器開発の勧め

というテーマで発表させてもらいますので、内容をご紹介します。

 

 

 日本は国内の精密機械工業を中心とした世界トップクラスの産業を有しているにも関わらず国内で使用されている医療機器の多くが外国製であるため、国の政策として医療機器開発を推進することとした。

まず初めに産業界では、使用者である医師と連携して医療機器開発を始めた。しかし、経済産業省のハンドブックにも示されているように少数の医師との連携では客観的なニーズが捉えられず失敗例が相次いだ。そこで、病院内での医療機器の専門家である臨床工学技士に白羽の矢が立ち、日本臨床工学技士会では2016年に臨・学・産連携推進委員会を新設し、企業や経済産業省と連携を開始した。

 医療機器は、リスクによりクラス分類され管理医療機器は薬事申請が必要であることから開発から販売までには多くのノウハウや開発費が発生する。そこで、多くの臨床工学技士が開発に着手したのは、患者に直接使用しない一般医療機器であった。具体的には、医療機器の点検器具や医療者をサポートする機器が該当する。これは、患者へのリスクも少なく届出だけで済むため開発初心者としては取り組みやすいためお勧めである。

 また、現存する医療機器の困っていることを改善する開発もお勧めである。1例を示すと、ラジオ波焼灼装置で焼灼範囲が可変できれば良いと感じていた。暫くすると、韓国製で可変できる装置が発売された。私はその時、日本は米国製のよい商品をさらに発展させることで競争力を高めてきた経緯を思い出し、このお家芸とも言える手法がいつの間にか韓国に奪われたのではないかと危機感を抱くと共にこういう開発が日本の得意とする所ではないか思った次第である。

 話しは、私が病院で働きだした1990年代に遡る。当時は個人用透析装置の透析液の蓋のシールが色違いで間違いやすかった。そこでメーカー担当者に改善依頼したが、医療安全への認識も低く改善までに5年の歳月を要した。しかし、サブラッドBによる死亡事故が起きた場合はすぐに改善された。2000年以降医療事故が相次ぎ公表され、医療安全に関する世間の関心が高まり臨床工学技士が依頼した場合にも比較的速やかに改善がされる環境が整った。このことは、臨床現場において1人1人が常に改善の視点を持つことで、業務改善や医療機器の開発に繋がるものと考えている。皆さんも、改善の視点から医療機器の開発を始めてみればいかがでしょうか。

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  1. 2019/05/03(金) |
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