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ともにゃんの生態

臨床工学技士の「ともにゃん」の個人ブログ。医療機器の管理を中心に日常の戯言を日記にしています。

今日は、手術用の鉗子のお話です。手術室看護師さんのHPから抜粋です
http://or-nurse.seesaa.net/category/1353702-1.html


<ペアンとコッヘル>
どちらも止血鉗子の一種で見た目はほとんど一緒ですが、要は14-5cmくらいの一般的な形の鉗子で「鉤」があるのがコッヘル、ないのがペアンと思ってしまって間違いありません。
Kocher-thumbnail2.jpg         pean-thumbnail2.jpg
手術器具:コッヘル止血鉗子     手術器具:ペアン止血鉗子

「鉤」(こう)というのは、噛み合わせの先端についた引っかかりというか、カギ状の部分ををいいます。これがあると何がいいのかというと、がっちりと組織を掴むことができる、業界用語でいうならしっかり把持(はじ)できる、わけです。

そこで鉤があるコッヘルは主に、人体の丈夫な組織、つまり皮膚や筋肉、皮下脂肪層などをつまんで、手術創(術野)を拡げるのに使われたりします。私の知るかぎり、整形外科や脳神経外科などでは、鉗子といえばコッヘルが基本というくらいに多用されています。

ただ、がっちりつかめる=組織が傷つく、というわけで腸管など柔らかい組織にコッヘルは使いません。そういうときには鉤がないタイプの鉗子、ペアンを使います。外科の開腹手術などではペアンがメインに使われています。反対にいえば外科でコッヘルを出すことはほとんどありません。

コッヘルもペアンも一般には止血鉗子のひとつといわれていますが、実際のところ、止血目的というよりは、手術における"指先替わり"としてなにかとよく使われます。言ってみれば万能鉗子ですね。

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<手術用ハサミ(剪刀)について>
手術に使う道具(鋼製器具/器械)のうち、いちばん出番が多くて重要な器械は剪刀(はさみ)かもしれません。手術のときメスを使う場面というのは非常に限られています。術式によっては最初に皮膚にスッーっと切れ目を入れる以外はまったく出番がない場合もあるくらい。
皮膚に切れ目が入ったら、あとは電気メスで創を拡げていく場合がほとんどですし、他に切る道具を使うとしたらやっぱりハサミ類ですね。


scissors_point.jpg
↑ 先端の形の違い(左から)/メッツェン・メイヨー・クーパー

●クーパー Cooper

どんな科の手術でもたいてい使います。先が丸まっていてチョイ幅広。深いところで操作するときは、ちょっと柄が長めの長クーパーを使ったりします。

婦人科オペなんかでは、クーパーでジョキジョキと腹膜や子宮を切り開いていったりもしますが、一般的にはクーパーは雑剪(ざっせん)などとも呼ばれ、血管を縛った後の糸を切る専用に使われることが多いです。

●メッツェンバウム Metzenbaum

メッツェンバウムは略して「メッツェン」といわれる場合が多いです。
これはクーパーより、先が細く薄くなっています。細かい組織を切る用のハサミになります。基本的にはコイツで糸類を切ることはありません。

メッ ツェンあたりになると、ハサミとはいえ切る以外にもうひとつの重要な使い方が出てきます。それは「剥離」。これは文章で説明するのはちょっと難しいのです が、人間の組織というのは基本的に膜構造になっているわけで、創を切り開いていくにもただ闇雲に切ればいいわけではなく、まずはくっついている膜を剥がし てからハサミを入れる必要があるんです。
そんなときに膜を剥がす「剥離」操作をするのもハサミの役目です。膜とおぼしき隙間に先を差し込んで、ハサミを開く。そうやって膜層を拡げていくわけです。

●メイヨー Mayo

メイヨーは、クーパーの先を少し細めにしたような感じのハサミで、比較的固めの組織を切るためのがっちりとした鋏です。主に整形外科領域などで使われます。手術室全体でいったらあまり出番はないハサミかも。

手術の時、器械受け渡しをするための台のことを、メーヨー台と言ったりしますが、このメーヨーというのは人の名前です。いまでもアメリカにメーヨー・クリニックという歴史的な病院がありますが、その創始者メーヨー兄弟が開発した道具なのでメーヨーと呼ばれているようです。
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  1. 2009/06/11(木) |
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