☆返血の手技について
透析療法初期には貧血の患者さんが多く、スタッフは残血に効果的と思われる数々の手技を取り入れ、残血を減らす努力をしてきました。しかし、当時はよかれと思って行っていた手技が、今となってみれば患者さんの利益につながっていなかったという現実もあります。
現在の返血方法は特別な手技を加えず、自然に返血する方法が主流になってきています。
(透析ケア2006冬季増刊号より)
ダ イアライザーをたたく、振る、回転させる、フラッシング(鉗子で回路を閉塞開放する)といった行為は赤血球を変形させたり、破壊するという報告がありま す。また、血液回路のピローをグリグリと鉗子または指でつまむ、ポンプチューブをグリグリと鉗子でつまむといった行為は血球破壊だけでなく、回路からの可 塑剤を溶出させる原因になり、体にとって有害なものを送りこんでいるということになります。それから、血液の塊を生食で溶かして体に戻す必要があるのか? という疑問もあります。そもそも塊というのは血液が固まる必要があって固まったわけですから、これを溶かしたところで何か利点があるのか疑問です。
以上のような『おまじない的な手技は一見不利益がないように見えますが、こういった無意味と思われる手技を続けることでスタッフの意識について問われかねません』
上記の理由から当クリニックの透析室では、今後返血時の無用な操作は認めないこととします。
- 2009/11/04(水) |
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